タロットカードの意味 吊るされた男

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日本昔話タロット大アルカナ 吊るされた男

大アルカナ12番目のカード「吊るされた男」

吊るされた男は犠牲、奉仕を表します。

 

こんにちは!八景(@ELTON_SUN1)です。

今回は、タロットカードの大アルカナ 吊るされた男、についてのお話です。

 

 キーワード

正位置:犠牲。奉仕。修行。

忍耐。間に入る。努力。誰かの為の犠牲。将来報われる苦労。試練。妥協。

 

逆位置:徒労。殉教。自暴自棄。

見捨てる。見捨てられる。責任逃れ。人のせいにする。言い訳。

「吊るされた男」タロットカードの意味と説明 

吊るされた男は、

木に逆さに吊るされた男が描かれています。

彼の表情は穏やかで後光が差し、

どこか納得しているようにも見えます。

赤いタイツは強い意志を感じます。

f:id:ELTON:20180802151949j:plainウエイト版 吊るされた男

吊るされることは拷問、極刑を連想しますが、

彼の表情を見ると、

自ら望んで何かの犠牲になっているように見えます。

f:id:ELTON:20180802152017j:plainマルセイユタロット 吊るされた男

「吊るされた男」のカードは正しい事をしても、

考え方の違いやタイミングによって、

決して結果も良いとは限らない事を教えてくれています。

不当に処罰されたり、

命を狙われたり、

 

かと言って、傷つくことを怖がっていては、

自分の想いを達成する事は出来ませんよね。

 

「吊るされた男」の表情が清々しく凛としているのは、

吊るされていても自分の気持ちに素直である事、

自己実現の一歩だからだと思うのです。

「ベロ出しチョンマ」ってどんなお話?

日本昔話タロットでは吊るされた男は

「ベロ出しチョンマ」の処刑シーンが描かれています。

さて、このお話どんなでしたでしょうか?

 

時は江戸時代、

下総国佐倉、現千葉県の花和村という村があった。

村には村人に慕われる盟主「藤五郎」おり、

彼には妻と12歳の長男「長松」

そして3歳の長女「ウメ」の4人家族がいた。

長松と妹ウメはとても仲良し。

面倒見の良い長松はウメをたいそう可愛がった。

幼いウメは長松を正しく呼ぶことが出来ず、

「チョンマ」と呼んでいた。

 

ウメは冬になるとしもやけが酷く、薬を塗ってやるのは長松の役目。

薬を塗った湿布を変えてやる際に、

膿でくっついた湿布を剥がすのはとても痛む。

ウメは剥がす前から泣き出すのである。

その時、長松は眉を八の字にしてベロを出す得意の面白い顔をするのだった。

 

 ウメはその面白い顔が大好きでいつも大笑い。

ウメが笑っている間に、

長松は一気に剥がしてしまうと作戦だ。

「ウメ!あんちゃんの顔さ見ろ!」

「ケラケラ」

「ビリッ!」

という具合だ。

 

ところで村は厳しい年貢制度に悩まされていた。

特にこの年は大凶作。

村人たちは盟主である藤五郎を中心に年貢について話し合っていた。

「とても今年は同じだけ治められねぇ、、、」

「今年の凶作は幕府も分かっておろうに、少しくらい考えてくれればいいものを、、、」

 

「こうなったらお殿様に直訴するしかねぇ!」

「直訴は大罪ぞ! そったらことしたら皆打ち首だ!」

みんなどうする事も出来ません。

とりあえず、今日は遅いという事で話し合いは解散になった。

 

藤五郎は皆が帰ったあと、一人考える。

そして、妻に

「江戸に上がって直訴する。誰にも言うな。」

と家を出た。

 

藤五郎は誰かと行けば、

その人にも災難が降りかかる。

藤五郎は一人で行く事で罪をすべて被るつもりだった。

 

数日後、乱暴に長松の家の扉を叩く音がする。

開けるとお役人たちが長松、ウメ、母を取り囲んだ。

 

「恐れ多くも藤五郎は直訴に来た。直訴は天下のご法度。知っておろう大罪人!」

 

役人たちは母、長松、ウメを処刑場へと連行する。

村人たちは騒ぎを察し、続々と駆け付ける。

「何もウメちゃんまで、、、、」村人たちはささやく、、、

3歳のウメはただならぬ雰囲気に硬直。

 

しだいに村人のほとんどが集まり、

「藤五郎が直訴で捕まった!」

「家族みんな捕えられた!」

「盟主がみんなの為に!」と大騒ぎ。

 

家族三人ははりつけにされ、処刑人が槍を構える。

ウメは尋常ではない様子に泣き叫ぶ。

 

その時、長松が叫ぶ。

「ウメ!怖くねえぞ!兄ちゃんの顔さ見ろ!」

 

長松は得意の眉を八の字にして舌を出す面白い顔をした。

ウメは怖さを忘れて、兄の顔を見て笑った。

 

処刑人たちは三人に槍を突き立てた。

ウメは笑ったまま、

長松はウメを笑わせる得意の表情のまま亡くなった。

その後、藤五郎の直訴のお陰で、

年貢が考慮され村人たちは飢饉を逃れたと言う。

「吊るされた男」と「ベロ出しチョンマ」の共通性

吊るされた男が示すのは、

正しい事をしていても正当な評価ばかりではいという「世の中の矛盾」

その矛盾をシンプルに告げています。

 

同じくベロ出しチョンマが語ってくれるメッセージはサクリファイス

 

サクリファイスは犠牲と訳されますが単なる犠牲でなく、ポジティブな犠牲。

 

誰かが生きるための犠牲、

被害を最小限にするための犠牲、

 

例えば野球で送りバントという作戦があります。

野球は点を多くとったチームが勝つスポーツで、

個々の選手が生き残るためのゲームではありません。

その為、チームが点を取るためにノーアウト、ランナーが一塁の場面で、

高校野球プロ野球でも後がない試合展開や一点勝負になりそうな展開の場合、

よく使われる作戦です。

 

ノーアウトでもランナーが一塁の場合、

通常、得点を挙げるためには2本のヒットが必要です。

それよりも犠牲バントでアウトになってもランナーを2塁に進め、

1本のヒットで得点をする為の作戦、

それが送りバントです。

 

英語でサクリファイス・バント、

日本語で送りバント犠牲バントの事です。

「犠牲」というとネガティブに聞こえますが、

ベロ出しチョンマが伝えるメッセージは、

このサクリファイス・バントです。

 

チームが勝つために、

多くの仲間の喜びの為に、

このサクリファイス・アクションはとても重要です。

 

他の表現で表してみましょう、

 

ポーカーというトランプ遊びで、

「テキサスホールデム」というのがあります。

見えない相手のカードと勝負する時、

相手がどれくらい強い手を持っているのか、

確認する為にベットすることがあります。

しっかり見極める事が出来た場合、

それは「サクリファイス・ベット」と言えます。

被害を最小限に抑える事が出来るからです。

 

何かを救う為の犠牲。

吊るされた男とチョンマの物語りは伝えたいことがとてもシンクロしています。

 

チョンマの赤いベロ

ベロ出しチョンマは江戸時代の実話をモチーフにした物語。

 

チョンマのトレードマークは何と言っても「赤い舌」

物語ではおかしな顔の「ベロ出し」は、怖がる妹の為ですが、

幕府のアナーキーさを訴えかける象徴、

あっかんべーとする姿が絶妙にシンクロしてとても見事です。

 

ローリングストーンズのミックジャガーが自分たちのロゴが気に入らず、

行きついた果てにベロマークを採用し、

後に彼らのトレードマークにしました。

ベロ出しチョンマの処刑台に立つベロも結構格好いいですね。

 

 

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